大壮は、貞しきに利ろし
消長十二卦。
乾4月⇒姤5月⇒遯6月⇒否7月⇒観8月⇒剝9月⇒坤10月⇒復11月⇒臨12月⇒泰1月⇒大壮2月⇒夬3月
陽が伸びてきている。行き過ぎ注意。
吉とも亨るとも言っていない。正しければいいだけ。易の中で最も短い彖辞。ただ、行き過ぎるなと言っている。
雑卦伝 「大壮は止まり、遯は退くなり。」 動いていいが行き過ぎるなという意味。
初爻と二爻、三爻と四爻、五爻と上爻を一つとみると、兌(沢)になるので、喜びが隠れている。
人は好調になると、多くははしゃぎ、勢いの赴くまま止まることを知らず、いたずらに新たな亀裂を生み出す。ただ正しいだけでは行けない。互卦が沢天夬なので、熟慮細心の注意を払わないと危ういことを戒める。大壮も一旦過ぎると凋落するしかない。挫折が待っている。
①草木が一斉に新芽を出すように、今は勢いが強い。
②しかし意気盛んな時は、平常心を喪って勇み足となりやすい。
③勝って兜の緒を締めよ。慌てず泰然と取り組めば良い。
各爻
初九 趾(あし)壮んなり 征けば凶 孚あり
動き始めているがまだ本当の力とは言えない。たまたま自然の成り行きかもしれない。機はまだ完全に熟してはいない。
変 32 ䷟雷風恒 一貫した恒久性が無いと、いずれぼろが出る。
九二 貞しければ吉なり
大いに壮ん時ほど過ちを犯しやすい。自信が過信になりやすく危うい。
変 55 ䷶雷火豊 盛大を極めると何かと事も多くなる。過度の盛大は水落の始まりでもある。
九三 小人は壮を用い 君子は罔を用う 貞なれども厲(あやう)し 羝(てい)羊藩(まがき)に触れてその角を羸(くるし)ましむ
陽が壮んになると突出しやすい。無事これ名馬である。今は勝つより負けないことを考えなくてはならない。
変 54 ䷵雷沢帰妹 最初に無理をすると、何かについて弊害が尾を引く、機はまだ熟していない。
九四 貞しければ吉にして悔亡ぶ 藩決(まがきひら)けて羸(くるし)まず 大輿の輹(とこしばり)に壮んなり
基礎が安定し、心にかかることが無い。大いに前進すればよい。
変 11 ䷊地天泰 互いに相手をよく理解し、気持ちが通じ合っている。陽がますます伸張し、周りの陰を駆逐せんとしている。
六五 羊を易に喪う 悔なし
強壮の陽は、すでに頂点を通り過ぎた。それを自覚し欲張らない方がよい。
変 43 ䷪沢天夬 沢の堤が決壊せんとしてあふれかえろうとしている。このままでは危うい。
上六 羝(てい)羊藩(またぎ)に触れ、退くこと能わず 遂(すす)むこと能わず 利ろしきところなし 艱(くる)しめば吉なあり
壮んな勢いはすでにない。見果てぬ夢を追わず現実を直視すること。
変 14 ䷍火天大有 好調であればとかく驕慢となり無用な軋轢を作り出す。今は基礎を固めて、内容の充実を図るとき。
互卦 43 ䷪沢天夬
綜卦 33 ䷠天山遯
錯卦 20 ䷓風地観
占いキーワード
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