噬盍は亨る獄を用いるに利し
噬嗑は通じる。刑罰を施行するのによいときである。障害物を除去して、刑罰により法の正義、衡平を実現することで、安易に妥協はとらず、断固たる処置を採るべき。
争いが起こりやすい卦は噬嗑の他に訟、師、頥、火、睽、翠、雷、風がある。
噬嗑は積極的に取り除くのはよいという卦。
取り除くものは、往々にして自分の中にもある。疑心暗鬼である。迷いを少しでも抱えたままだと効果は半減する。心に潜む原因を冷静に検討し、取り除かなければならない。
①思い切って生涯を排除しなければならない。
②一掃すると辺りは一瞬緊張で震えるが、次第に明るくなり風通しがよくなる。
③安易な妥協を後で悔やむ。
各爻
初九 校(あしかせ)を履いて趾(あし)を滅(やぶ)る 咎なし
足かせをはかせられ、足指を傷つけられる。事由を失う。この罰にこりて悪事を再びしなければ重刑は免れる。
早期に問題の芽を摘み取れば災いはない。時間がたつと事は簡単にいかない。
変 35 ䷢火地晋 徐々に問題の所在も、その値の深さもはっきりしてくる。そうなってからでは、益々手をやく。
六二 膚(はだえ)を噬(か)んで鼻を滅(めつ)す 咎なし
肌を傷つけ、鼻を切る。名誉を失うが服罪するので災いはない。悔れば失敗。罰せられる事がある。
時には厳しく臨まないと相手は懲りない。相手を軽くみて後悔する。
変 38 ䷥火沢睽 それぞれ考えが違い、流儀が異なる以上、反目し合うのは仕方が無いが、放っておけばますます激しくなる。
六三 腊肉(せきにく)を噬んで毒に遇えり 小しく吝 咎なし
干し肉を噛んだので中毒した。まだ身体にまわらず少し苦しいが災いはなくて済んだ。大したことは無かった。分がすぎ力不足である。報いられない。前途に障害あり。
一旦取りかかった以上ひるんではならない。途中で止めると後悔する。
変 30 ䷝離為火 現実は厳しく思い通りにはいかない。しかしほってもおけない。
九四 乾胏(かんし)を噬んで金矢(きんし)を得たり 艱(かん)貞に利し吉
骨付きの肉をかんd矢じりがあった。苦しいのに耐えれば吉となる。苦労の甲斐はある。障害を除去すること。特に九四の障害を除く。
甘く見ていると障害は日増しに増大する。情にほだされてはならない。
変 27 ䷚山雷頥 何を信条としているか、其れさえ見れば人の見当はつく。世間の評価など当てにならない。私情を捨てて決断すべきである。
六五 乾肉を噬んで黄金を得た貞しけれども厲うし 咎なし
干肉を噛んで金の矢じりを得た。慎重に行動しても未だ危険である。しかし災いは避けられる。忍耐してよい結果があるし、商利がある。
障害を取り除けば、問題の所在がはっきりする。次第に好転する。
変 25 ䷘天雷无妄 むしのいい勝手な願いはたいていアテが外れるが、何事も無心に取り組むときは、思いがけない天佑がある。
上九 校(くびかせ)を何(にな)いて耳を滅(やぶ)る 凶
首かせをはめられて耳まで傷つけれれた。重罪である。一歩誤れば大失敗の危険が潜むので進退に迷う。凶。
一旦こじれた関係を修復するのは容易ではないが、このままだとより悪化する。手加減したり妥協したりすると後で悔やむ。凶。
変 51 ䷲震為雷 突然思いがけないことに襲われると誰でも慌てるが、しかし覚悟しているなら驚かずに済む。日頃が肝心。
互卦 39 ䷦水山褰
綜卦 22 ䷕山火賁
錯卦 48 ䷯水風井
占いキーワード
中間に障害。強気に押して有利。断固たる処置をとる。
商売では、
相互の間にある邪魔者、障害となっている案件をまず見いだして早く除去する事である。強気に出てよりが、取引は進まず、空回りが多い。うまい言葉に乗せられないよう用心が必要。勝負は勝ち。
恋愛では、
生活問題や他の異性関係で争いがある。三角関係になりやすい。不利な噂も立ちやすい。未解決の問題が残っているので断固として処置すること。妥協は悔いを残す。性格では女性が強く、男性が圧倒される。仲人が頼りにならないので直接交渉を。姑問題、生活問題を綺麗に解決しておかないと結婚後は上手くいかない。
病気は、
医者を替えてみるとよい。
失いもの
紛れ込んで発見しにくい。
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