「否」という字は「閉ざされる」という意味を持ち、この卦は上下の流れが途絶え、物事がうまく進まない状況を示している。具体的には、上卦の乾(天)が陽を表し、下卦の坤(地)が陰を表すため、陽と陰が互いに背を向けて調和しない状態になる。このため、人間関係や物事が円滑に進まず、困難や障害が生じる時期であると言える。しかし、この困難な状況を乗り越えるには、忍耐と内面的な成長が必要である。これを通じて、最終的には新しい展望が開けるという教えが含まれている。天地否は変化や成長のための重要な時期と捉えられる。
本日の卦では、5爻変と出た。この場合の占いでは、まもなく「火天大有」になる。あるいは、「火天大有」の意味を含むと解釈するのが好ましい。非常に幸運の卦である。
「天地否」の五爻が変じて「火天大有」となる場合、象意が大きく変わります。「火天大有」は成功や繁栄を表す卦です。
天の下に火がある景象で、豊かさや栄光を意味し、物事が大いに発展し、大成功を収める運気です。五爻の位置は最高点に近い場所であり、変化の結果として、困難や障害を辛抱強く乗り越えた後に、素晴らしい成果や幸福が訪れることを示唆していますす。この占いは、大きな進展や報奨が期待できる吉兆と評価されます。
掛辞
「否は、大往き小来たる。君子の貞くなしきに利ろしからず」
意味
- 否(ひ):大きなものが去り、小さなものが来る。君子(立派な人)が正しい道を守ることは利益にならない。
解釈
天地否の状態は、物事がうまくいかず、停滞や障害が多い時期を示しています。この時期には、君子(立派な人)が正しい道を守っても利益を得ることは難しいとされています。大きなものが去り、小さなものが来るというのは、物事が逆行している状態を表しています。
この卦は、困難な時期にどのように対処するかを示唆しており、慎重に行動し、無理をせず、時期を待つことが重要であるとされています。
序卦伝
序卦伝は、易経の卦がどのような順序で並べられているか、その理由を説明する部分です。天地否の序卦伝は以下のように述べられています。
「物不可以終通、故受之以否。否者、閉也。」
意味
- 物不可以終通:物事は永遠に通じ続けることはできない。
- 故受之以否:だから、次に「否」を受ける。
- 否者、閉也:否とは、閉じることである。
解釈
物事は常に順調に進むわけではなく、必ず停滞や障害の時期が訪れるということを示しています。通じることが終わると、次に「否」(閉じる、通じない)状態が来るのは自然の摂理であると説明しています。
このように、天地否の序卦伝は、物事の流れが常に変化し、順調な時期と停滞する時期が交互に訪れることを示しています。これにより、天地否の卦がどのような状況を表しているのかを理解する手助けとなります。
彖伝
彖伝は、各卦の象徴的な意味やその背後にある哲学的な解釈を述べた部分です。天地否の彖伝は以下のように述べられています。
「否之匪人、不利君子貞、大往小来」
意味
- 否之匪人:否は人にあらず。
- 不利君子貞:君子の貞に利ろしからず。
- 大往小来:大いなるものは去り、小さきものは来る。
解釈
- 否之匪人:否の状態は、人間らしい交流や通じ合いがない状態を示しています。つまり、物事がうまくいかず、コミュニケーションや協力が断たれている状況です。
- 不利君子貞:このような状況では、君子(立派な人)が正しい道を守っても利益を得ることは難しいとされています。正しい行いが報われない時期を示しています。
- 大往小来:大きなものが去り、小さなものが来るというのは、物事が逆行している状態を表しています。大きな成功や進展が遠ざかり、小さな問題や障害が近づいてくることを意味します。
全体の解釈
天地否の彖伝は、物事がうまくいかない時期において、正しい行いが必ずしも報われないことを示しています。このような時期には、慎重に行動し、無理をせず、時期を待つことが重要であるとされています。大きな成功を追い求めるよりも、小さな問題に対処し、次の良い時期を待つことが賢明であると教えています。
象伝
象伝は、卦の形象やその背後にある象徴的な意味を解説する部分です。天地否の象伝は以下のように述べられています。
「天地不交、否。君子以儉徳辟難、不可榮以禄。」
意味
- 天地不交、否:天地が交わらない、これが否である。
- 君子以儉徳辟難:君子は徳を慎んで難を避ける。
- 不可榮以禄:禄によって栄えることはできない。
解釈
- 天地不交、否:天地が交わらないというのは、天と地が互いに通じ合わず、調和が取れない状態を示しています。これが「否」の状態です。天地が交わらないため、物事がうまく進まず、停滞や障害が生じることを意味します。
- 君子以儉徳辟難:君子(立派な人)は、このような困難な時期において、徳を慎んで行動し、難を避けるように努めます。つまり、慎重に行動し、無理をせず、困難を避けることが重要であると教えています。
- 不可榮以禄:この時期には、禄(報酬や地位)によって栄えることはできないとされています。つまり、外部からの報酬や地位に頼ることなく、自分の内面の徳を磨くことが大切であると示しています。
全体の解釈
天地否の象伝は、物事がうまくいかない時期において、慎重に行動し、無理をせず、内面的な徳を磨くことの重要性を教えています。外部の報酬や地位に頼ることなく、自分自身の徳を高めることで、困難な時期を乗り越えることができると示しています。このように、天地否の象伝は、困難な時期における君子の行動指針を示しています。
各爻
初六
初六:拔茅茹、以其彙、貞吉、亨。
解説:初六は、草を引き抜くように、同じ志を持つ者たちが集まることを示しています。正しい道を守れば吉であり、成功することができます。つまり、困難な時期でも同じ志を持つ仲間と協力することで、困難を乗り越えることができるという意味です。
初六
初六:拔茅茹、以其彙、貞吉、亨。
彖伝
彖伝は、卦や爻の意味を解説し、その背後にある哲学的な意義を示す部分です。初六の彖伝は以下のように述べられています。
彖曰、否之匪人、不利君子貞、大往小來。
解釈
否之匪人:否の時期には、正しい人々が排除され、悪い人々が力を持つことを示しています。これは、社会や組織が混乱し、正しい価値観が失われる時期を意味します。
不利君子貞:このような時期には、君子が正しい道を守ることが困難であり、不利であることを示しています。つまり、立派な人が正しい行動を取ることが難しい状況です。
大往小來:大きなもの(正しい価値観や立派な人々)が去り、小さなもの(悪い価値観や小人)が来ることを示しています。これは、社会や組織が逆転し、悪い状況が続くことを意味します。
初六の解釈
初六の「拔茅茹、以其彙、貞吉、亨」は、草を引き抜くように、同じ志を持つ者たちが集まることを示しています。正しい道を守れば吉であり、成功することができます。彖伝の解釈を踏まえると、否の時期においても、同じ志を持つ仲間と協力し、正しい道を守ることで、困難を乗り越えることができるという教えです。
解釈
天地否の初六に関する彖伝は、困難な時期においても、正しい道を守り、同じ志を持つ仲間と協力することの重要性を教えています。否の時期には、正しい人々が排除され、悪い状況が続くことが多いですが、その中でも正しい道を守ることで、最終的には吉となり、成功することができるという教えです。
象伝
象伝は、卦や爻の象徴的な意味を解説し、その背後にある具体的な状況や行動を示す部分です。初六の象伝は以下のように述べられています。
象曰、拔茅貞吉、志在君也。
解釈
拔茅貞吉:初六の「拔茅茹、以其彙、貞吉、亨」は、草を引き抜くように、同じ志を持つ者たちが集まることを示しています。象伝では、これを「正しい道を守ることで吉となる」と解釈しています。つまり、困難な時期においても、正しい道を守ることが重要であり、それが吉をもたらすという意味です。
志在君也:その志は君主にあると述べています。これは、初六の行動や志が君主(リーダー)に向けられていることを示しています。つまり、困難な時期においても、リーダーに対する忠誠心や正しい行動を取ることが重要であるという教えです。
初六の解釈
初六の「拔茅茹、以其彙、貞吉、亨」は、草を引き抜くように、同じ志を持つ者たちが集まることを示しています。象伝の解釈を踏まえると、困難な時期においても、正しい道を守り、リーダーに対する忠誠心を持つことで、吉となり、成功することができるという教えです。
全体の解釈
天地否の初六に関する象伝は、困難な時期においても、正しい道を守り、リーダーに対する忠誠心を持つことの重要性を教えています。否の時期には、正しい人々が排除され、悪い状況が続くことが多いですが、その中でも正しい道を守り、リーダーに対する忠誠心を持つことで、最終的には吉となり、成功することができるという教えです。
六二
六二:包承、小人吉、大人否亨。
解説:六二は、包み込むように受け入れることを示しています。小人(小さな人、普通の人)にとっては吉であり、大人(立派な人)にとっては否(困難)であり、成功しにくいことを示しています。つまり、普通の人にとっては良い時期ですが、立派な人にとっては困難な時期であることを意味します。
彖伝
彖伝は、卦や爻の意味を解説し、その背後にある哲学的な意義を示す部分です。六二の彖伝は以下のように述べられています。
彖曰、包承小人、以長貴也。大人否亨、不乱群也。
解釈
包承小人、以長貴也:六二の「包承」は、小人(小さな人々)を包み込み、受け入れることを示しています。彖伝では、これを「小人を包み込み、受け入れることで、長く貴い地位を保つことができる」と解釈しています。つまり、困難な時期においても、小さな人々を受け入れ、共に進むことで、長期的に成功し、貴い地位を保つことができるという意味です。
大人否亨、不乱群也:大人(立派な人々)は否の時期においても成功するが、群れを乱さないと述べています。これは、立派な人々が困難な時期においても、冷静に行動し、集団を乱さずに成功を収めることを示しています。
解釈
六二の「包承。小人吉、大人否亨」は、小人(小さな人々)を包み込み、受け入れることで吉となり、大人(立派な人々)は否の時期においても成功することを示しています。彖伝の解釈を踏まえると、困難な時期においても、小さな人々を受け入れ、共に進むことで、長期的に成功し、貴い地位を保つことができるという教えです。また、立派な人々は冷静に行動し、集団を乱さずに成功を収めることが重要であるという教えです。
解釈
天地否の六二に関する彖伝は、困難な時期においても、小さな人々を受け入れ、共に進むことで、長期的に成功し、貴い地位を保つことの重要性を教えています。また、立派な人々は冷静に行動し、集団を乱さずに成功を収めることが重要であるという教えです。否の時期には、正しい行動と共に、他者を受け入れる寛容さが求められることを示しています。
象伝
象伝は、卦や爻の象徴的な意味を解説し、その背後にある具体的な状況や行動を示す部分です。六二の象伝は以下のように述べられています。
象曰、大人否亨、不乱群也。
解釈
大人否亨、不乱群也:六二の「包承。小人吉、大人否亨」は、小人(小さな人々)を包み込み、受け入れることで吉となり、大人(立派な人々)は否の時期においても成功することを示しています。象伝では、特に「大人否亨、不乱群也」に焦点を当てています。これは、立派な人々が困難な時期においても、冷静に行動し、集団を乱さずに成功を収めることを示しています。
六二の解釈
六二の「包承。小人吉、大人否亨」は、小人(小さな人々)を包み込み、受け入れることで吉となり、大人(立派な人々)は否の時期においても成功することを示しています。象伝の解釈を踏まえると、困難な時期においても、立派な人々は冷静に行動し、集団を乱さずに成功を収めることが重要であるという教えです。
全体の解釈
天地否の六二に関する象伝は、困難な時期においても、立派な人々が冷静に行動し、集団を乱さずに成功を収めることの重要性を教えています。否の時期には、正しい行動と共に、他者を受け入れる寛容さが求められることを示しています。
六三
六三:包羞。
解説:六三は、恥を包み隠すことを示しています。これは、困難な時期において恥ずかしい思いをすることがあるが、それを隠して耐えることが必要であることを意味します。つまり、困難な状況においても自分の恥を隠し、耐え忍ぶことが重要であるという教えです。
彖伝
彖伝は、卦や爻の意味を解説し、その背後にある哲学的な意義を示す部分です。六三の彖伝は以下のように述べられています。
彖曰、包羞、位不当也。
解釈
包羞、位不当也:六三の「包羞」は、恥を包み隠すことを意味します。彖伝では、これを「その地位が適切でないために恥を包み隠すことになる」と解釈しています。つまり、六三の位置は不適切であり、そのために恥を感じる状況に陥ることを示しています。
解釈
六三の「包羞」は、恥を包み隠すことを意味します。彖伝の解釈を踏まえると、六三の位置は不適切であり、そのために恥を感じる状況に陥ることを示しています。これは、適切な地位にいないことが原因で、恥ずかしい状況に直面することを意味しています。
象伝
象伝は、卦や爻の象徴的な意味を解説し、その背後にある具体的な状況や行動を示す部分です。六三の象伝は以下のように述べられています。
象曰、包羞、位不当也。
解釈
包羞、位不当也:六三の「包羞」は、恥を包み隠すことを意味します。象伝でも、これを「その地位が適切でないために恥を包み隠すことになる」と解釈しています。つまり、六三の位置は不適切であり、そのために恥を感じる状況に陥ることを示しています。
六三の解釈
六三の「包羞」は、恥を包み隠すことを意味します。象伝の解釈を踏まえると、六三の位置は不適切であり、そのために恥を感じる状況に陥ることを示しています。これは、適切な地位にいないことが原因で、恥ずかしい状況に直面することを意味しています。
解釈
天地否の六三に関する彖伝と象伝は、六三の位置が不適切であるために恥を感じる状況に陥ることを示しています。適切な地位にいないことが原因で、恥ずかしい状況に直面することを意味しています。これは、地位や役割が適切でない場合に生じる問題を示唆しており、適切な地位や役割を見つけることの重要性を教えています。
九四
九四:有命无咎、疇離祉。
解説:九四は、天命があり、過ちがないことを示しています。疇(仲間)と離れても、祝福があることを意味します。つまり、困難な時期においても天命を信じて行動すれば、過ちを犯すことなく、仲間と離れても祝福を受けることができるという意味です。
彖伝
彖伝は、卦や爻の意味を解説し、その背後にある哲学的な意義を示す部分です。九四の彖伝は以下のように述べられています。
彖曰、有命无咎、志行也。
解釈
有命无咎、志行也:九四の「有命无咎」は、天命があり、過ちがないことを意味します。彖伝では、これを「志が行われること」と解釈しています。つまり、九四の位置にある者は、天命を受けており、その志が実現されることを示しています。
九四の「有命无咎」は、天命があり、過ちがないことを意味します。彖伝の解釈を踏まえると、九四の位置にある者は、天命を受けており、その志が実現されることを示しています。これは、正しい行動を取ることで、天命に従い、成功を収めることができることを意味しています。
象伝
象伝は、卦や爻の象徴的な意味を解説し、その背後にある具体的な状況や行動を示す部分です。九四の象伝は以下のように述べられています。
解釈
畴離祉、志行也:九四の「畴離祉」は、仲間を離れても幸福があることを意味します。象伝では、これを「志が行われること」と解釈しています。つまり、九四の位置にある者は、仲間を離れても、その志が実現され、幸福を得ることができることを示しています。
九四の解釈
九四の「畴離祉」は、仲間を離れても幸福があることを意味します。象伝の解釈を踏まえると、九四の位置にある者は、仲間を離れても、その志が実現され、幸福を得ることができることを示しています。これは、独立して行動することで、成功と幸福を得ることができることを意味しています。
全体の解釈
天地否の九四に関する彖伝と象伝は、九四の位置にある者が天命を受け、その志が実現されることを示しています。仲間を離れても、その志が実現され、幸福を得ることができることを意味しています。これは、独立して行動することで、成功と幸福を得ることができることを教えています。
九五
九五:休否、大人吉、其亡其亡、繋于苞桑。
解説:九五は、否(困難)が休むことを示しています。大人(立派な人)にとっては吉であり、困難が去ることを意味します。繋(つなぐ)を苞桑(桑の木の包み)に繋ぐように、困難を乗り越えるためにはしっかりとした基盤が必要であることを示しています。つまり、立派な人にとっては困難が去り、吉となる時期であることを意味します。
九五
九五:休否、大人吉。其亡其亡、繋于苞桑。
彖伝
彖伝は、卦や爻の意味を解説し、その背後にある哲学的な意義を示す部分です。九五の彖伝は以下のように述べられています。
彖曰、休否之大人、吉、其亡其亡、繋于苞桑、志未也。
意味
休否之大人、吉:否(ふさがり)を休む大人(立派な人)は吉である。
其亡其亡、繋于苞桑、志未也:その亡(な)き、その亡き、苞桑(ほうそう)に繋がる。志がまだ達成されていないことを示している。
解釈
休否之大人、吉:否の状態を休める大人(立派な人)は吉である。これは、困難な状況をうまく乗り越えることができる立派な人が吉であることを示しています。
其亡其亡、繋于苞桑、志未也:その亡き、その亡き、苞桑に繋がる。これは、まだ志が達成されていないことを示しています。苞桑に繋がるという表現は、まだ完全に解決されていない問題が残っていることを意味しています。
解釈
九五の「休否、大人吉」は、否の状態を休めることができる立派な人が吉であることを意味します。彖伝の解釈を踏まえると、九五の位置にある者は、困難な状況をうまく乗り越えることができる立派な人であり、その結果として吉であることを示しています。しかし、「其亡其亡、繋于苞桑」は、まだ完全に解決されていない問題が残っていることを示しています。志がまだ達成されていないことを意味しています。
象伝
象伝は、卦や爻の象徴的な意味を解説し、その背後にある具体的な状況や行動を示す部分です。九五の象伝は以下のように述べられています。
象曰、大人之吉、位正当也。
意味
大人之吉、位正当也:大人(立派な人)の吉は、その位が正しく当たっていることを示しています。
解釈
大人之吉、位正当也:九五の「大人之吉」は、その位が正しく当たっていることを意味します。象伝では、これを「その位が正しく当たっているために吉である」と解釈しています。つまり、九五の位置にある者は、その地位が正しく適切であり、そのために吉であることを示しています。
解釈
九五の「大人之吉」は、その位が正しく当たっていることを意味します。象伝の解釈を踏まえると、九五の位置にある者は、その地位が正しく適切であり、そのために吉であることを示しています。これは、正しい地位にいることが成功と幸福をもたらすことを意味しています。
全体の解釈
天地否の九五に関する彖伝と象伝は、九五の位置にある者が困難な状況をうまく乗り越えることができる立派な人であり、その結果として吉であることを示しています。しかし、まだ完全に解決されていない問題が残っていることも示しています。象伝では、その地位が正しく適切であるために吉であることを強調しています。これは、正しい地位にいることが成功と幸福をもたらすことを教えています。
上九
上九:傾否、先否後喜。
- 解説:上九は、否(困難)が傾くことを示しています。最初は困難であっても、後には喜びが来ることを意味します。つまり、困難な時期が終わり、喜びの時期が訪れることを示しています。困難を乗り越えた後には、喜びが待っているという教えです。
全体の解釈
天地否の各爻は、困難な時期におけるさまざまな状況と、それに対する適切な対応を示しています。困難な時期には、仲間と協力し、恥を忍び、天命を信じ、しっかりとした基盤を持ち、困難を乗り越えることで、最終的には喜びが訪れることを教えています。
彖伝
彖伝は、卦や爻の意味を解説し、その背後にある哲学的な意義を示す部分です。上九の彖伝は以下のように述べられています。
彖曰、否終則傾、何可長也。
意味
- 否終則傾:否(ふさがり)が終わると傾(かたむ)く。
- 何可長也:どうして長く続くことができようか。
解釈
- 否終則傾:否の状態が終わると、物事が傾き始めることを意味します。これは、困難な状況が終わり、変化が訪れることを示しています。
- 何可長也:否の状態が長く続くことはできないことを意味します。つまり、困難な状況は永遠には続かず、いずれ終わることを示しています。
上九の解釈
上九の「傾否、先否後喜」は、否の状態が傾き始め、最初は困難であっても後には喜びが訪れることを意味します。彖伝の解釈を踏まえると、上九の位置にある者は、否の状態が終わり、変化が訪れることを示しています。困難な状況は永遠には続かず、いずれ終わり、喜びが訪れることを意味しています。
象伝
象伝は、卦や爻の象徴的な意味を解説し、その背後にある具体的な状況や行動を示す部分です。上九の象伝は以下のように述べられています。
象曰、否終則傾、何可長也。
意味
- 否終則傾:否の状態が終わると、物事が傾き始める。
- 何可長也:どうして長く続くことができようか。
解釈
- 否終則傾:否の状態が終わると、物事が傾き始めることを意味します。これは、困難な状況が終わり、変化が訪れることを示しています。
- 何可長也:否の状態が長く続くことはできないことを意味します。つまり、困難な状況は永遠には続かず、いずれ終わることを示しています。
上九の解釈
上九の「否終則傾、何可長也」は、否の状態が終わると、物事が傾き始めることを意味します。象伝の解釈を踏まえると、上九の位置にある者は、否の状態が終わり、変化が訪れることを示しています。困難な状況は永遠には続かず、いずれ終わり、喜びが訪れることを意味しています。
全体の解釈
天地否の上九に関する彖伝と象伝は、上九の位置にある者が否の状態が終わり、変化が訪れることを示しています。困難な状況は永遠には続かず、いずれ終わり、喜びが訪れることを意味しています。これは、困難な状況にあっても希望を持ち続けることが重要であり、いずれ変化が訪れ、喜びがもたらされることを教えています。
象徴十二卦
象徴十二卦は、易経の中で特に重要な十二の卦を指し、それぞれが特定の象徴的な意味を持っています。天地否はその一つであり、以下のような象徴的な意味を持ちます。
天地否の象徴的な意味
- 閉塞感:天地否は、物事がうまく進まない、閉塞感がある状況を象徴します。天と地が互いに背を向けているため、調和が取れず、物事が停滞することを示しています。
- 困難な状況:天地否は、困難な状況や障害があることを示しています。この卦が出た場合、現在の状況が困難であり、物事が思うように進まないことを意味します。
- 内省と忍耐:天地否の状況では、外部の状況が厳しいため、内省と忍耐が求められます。自分自身を見つめ直し、内面的な成長を図ることが重要です。
- 変化の兆し:天地否は、困難な状況が永遠に続くわけではないことを示しています。否の状態が続いた後には、必ず変化が訪れることを意味します。困難な状況を乗り越えることで、新たな展開が期待できることを示唆しています。
天地否の教訓
天地否の卦は、困難な状況に直面したときにどのように対処すべきかを教えています。以下のような教訓が含まれています。
- 忍耐と内省:困難な状況にあっても、忍耐強く内省することが重要です。外部の状況が厳しいときこそ、自分自身を見つめ直し、内面的な成長を図ることが求められます。
- 希望を持つ:困難な状況が永遠に続くわけではないことを理解し、希望を持ち続けることが重要です。否の状態が終われば、必ず変化が訪れ、喜びがもたらされることを信じることが大切です。
- 調和を求める:天地否の卦は、天と地が互いに背を向けている状態を示していますが、調和を求める努力が必要です。対立や不和を解消し、調和を取り戻すための行動を起こすことが求められます。
結論
天地否は、困難な状況や閉塞感を象徴する卦ですが、その中には内省と忍耐、希望を持ち続けることの重要性が含まれています。困難な状況に直面したときには、内面的な成長を図り、調和を求める努力を続けることで、いずれ変化が訪れ、喜びがもたらされることを教えています。
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