小畜は、亨る。密雲あれど雨降らず、わが西郊よりす。
小畜は通じる。厚い雲がたれこめているが、待望の雨はまだ降ってこない。やがて西郊より黒雲がでて降ってくるだろう。しばらく時を待つこと。妨害があって憂う。
小畜は柔、位を得て上下これに応ずるを、小畜という。健にして巽(したが)い、剛中にして志行なわる。すなわち亨るなり。密雲あれど雨降らずとは、往くを尚(たっと)ぶなり。わが西郊よりすとは、施しいまだ行われざるなり。
①思い通りにはいかない。
②壁を突破するには力不足。事が成るにも順序がある。
③実績を重ねていくうちに徐々に動き出す。今はその時に備えること。
各爻
初九 復(かえ)ること道よりす。何ぞそれ咎あらん。吉。
時を得ないので途中より引き返してきた。正道を守り得たので過失なく吉である。打開の兆しは見えてきたが脱線しそうである。なかなか事が順調に運ばない運気である。
もう一度振り返って検討すれば良い方法が見つかる。当面中止。
変 57䷸巽為風 人を見る目が備わっていないと危険。相手を良く見なくてはならない。
九二 牽かれて復る 吉
友とつれだって引き返した来たので吉。初爻は友人、中を守れば吉。
友人の意見を聞いて猛進しないこと。物事が意のままに進まない。
変 37䷤風火家人 信頼を深め、協調し結果を固めること。そのためにもしっかりした裏方が欠かせない。
九三 輿 幅(とこばしり)を説く、夫婦反目す
車軸がはずれ車と車体がバラバラとなり車が進まない。そのように夫婦が仲悪く反目し合う。強引すぎて事を破る。目的を達することができない。
変 61䷼風沢中孚 小手先を使わず、ただ誠心誠意に取り組むこと。
六四 孚ありて血去り、愓れ出ず、咎なし。
誠をもって事に当たったので流血の惨事にはならなかった。危険の恐れは去った。
自重していれば難は免れる。協力して事を行う時。
変 1䷀乾為天 太陽が東から昇り西に没するように、余計な事は考えず、ただ天の働きを見習って進むこと。
九五 孚ありて攣(れん)如たり、富、その鄰を以てす。
お互いに助け誠があって親しむ。富を独り占めしないで隣人と協力し共に栄え、分け合うのである。剛健中正。隣は六四。
協力・連帯して好結果を得る。経済上の利がある。進んで良い。
変 26䷙山天大畜 大いなる蓄積が今こそものをいう。万事は平生の応報である。
上九 既に雨ふり、既に処(とどま)る。徳を尚(たっと)び載(の)す。婦貞しけれどもあやうし 月 望むに畿(ちか)し 君子征けば凶
厚い雲が雨を降らせた。既に万物は慈雨の恩恵に潤い浴した。婦人は正しくしていても危うい。満月に近づいたがこのようにおごり高ぶれば危ない。君子もこれ以上進めば妄合いに合い凶。出過ぎれば災いを受ける。婦人の力が強すぎる。今の状態で満足するしかない。
欲は出さない方が良い。これ以上の前進はない。
変 5䷄水天需 状況を冷静に判断し、逸る気持ちを抑えて時の流れを掴むこと。
占いキーワード
機が熟さない。少し待て。女性上位。いらいらする。力不足。
商売では、
遅れがち。契約にも曖昧なところがある。互いに反目しがち。探り合いの状態が続き、イライラする。無理に勧めない方がよい。勝負は勝つが大したことはない。
恋愛では、
女性がリードする。なかなか本音をださない。男性の意見は通じないことが多い。
モヤモヤしてはっきりしない憂鬱な関係。結婚は見送った方がよい。
女性上位で、姑や女性側の方に問題がある。夫婦相和さず、反目の卦と言われている。独りの女性に多くの男性がいるときが多い。ライバルも多いし、苦労する。
病気は、
長引き、回復しにくいが急変することはない。
失いもの
発見しにくい。ものの間に挟まっていることがある。
この記事へのコメントはありません。