陽明学

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第18回:「現代中国と陽明学」

新儒家による陽明学の再評価20世紀前半の中国では、伝統的な儒教思想が西洋的近代化の流れの中で批判の対象となることが多くありました。特に「五四運動」(1919年)以降、伝統文化への批判が強まり、陽明学も一時は過去の遺物と見なされる傾向がありま...
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第19回:「ビジネスリーダーと陽明学」

経営哲学としての陽明学陽明学は、ビジネスや経営の世界においても有益な洞察を提供してくれます。特に現代の複雑で変化の激しいビジネス環境においては、陽明学の「知行合一」「致良知」などの概念が、新たな経営哲学の基盤となる可能性を秘めています。まず...
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第17回:「朝鮮半島と陽明学」

朝鮮朝における陽明学の受容と抵抗朝鮮半島における陽明学の受容は、日本や中国とは大きく異なる道をたどりました。朝鮮朝(1392-1910)は儒教、特に朱子学を国家の正統イデオロギーとして強く支持しており、陽明学は長らく「異端」視される傾向があ...
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第16回:「近代日本と陽明学」

明治・大正期の陽明学研究明治維新後、西洋文明の大々的な導入が進む中、一時期日本の伝統的な思想や学問は軽視される傾向がありました。しかし、明治中期から後期にかけて、日本の伝統思想を再評価する動きが起こり、陽明学も再び注目されるようになりました...
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第9回 事上磨錬

前回は王陽明の思想の集大成である「四句教」について解説しました。今回は、王陽明が特に重視した実践的修養法である「事上磨錬」(じじょうまれん)に焦点を当てます。「事上磨錬」とは、実際の事態や日常の出来事に対処する中で自らを鍛えるという意味で、...
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第15回:「日本における陽明学」

中江藤樹と熊沢蕃山陽明学が日本に本格的に伝わったのは江戸時代初期のことです。その日本における最初の本格的な陽明学者とされるのが、中江藤樹(1608-1648)です。藤樹は幼少期から学問に熱心で、朱子学を学びましたが、次第に朱子学の限界を感じ...
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第14回:「陽明学と明末の思想」

明末における陽明学の変容明朝の最後の時代(16世紀後半〜17世紀前半)、陽明学は大きく変容していきました。この時期は、政治的腐敗、社会的混乱、外敵の侵入など、中国社会が大きな危機に直面していた時代です。そうした状況の中で、陽明学は様々な形で...
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第13回:「陽明学派の分化」

王門四大家の思想的特徴王陽明の死後、その思想は多くの弟子たちによって継承され、発展していきました。特に「王門四大家」と呼ばれる四人の弟子たちは、それぞれ独自の解釈で陽明学を展開しました。まず、王畿(おうき、1498-1583)は「現成良知」...
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第12回:「陽明学と禅」

陽明学と禅宗の共通点と相違点陽明学と禅宗は、表面的には似ている部分が多く、しばしば混同されることがあります。実際、王陽明の思想形成には禅の影響が少なからずあったと考えられています。しかし、その本質や方法論には重要な違いも存在します。両者の最...
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第11回:「格物の新解釈」

朱子学の格物解釈との相違「格物致知」という言葉は、儒学の経典『大学』に由来する重要な概念です。朱子学では、この「格物」を「事物の理を究める」と解釈し、外部の物事を徹底的に研究することで、その理(原理・法則)を理解すべきだと説きました。朱熹(...
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